育休復帰して短時間勤務で働くママ看護師のほとんどの方が、一刻も早く定時で仕事を終えたいと思っているのではないでしょうか。
定時で帰れる職場なら良いのですが、看護の現場では残業が多いところも少なくありません。
育休明けの後輩ナース毎日15分か30分は残業がある……。
- 緊急入院や患者の急変
- 慢性的な人手不足
- 時間外の院内研修や勉強
病棟のシステムややり方などといった組織的な要因は、要望を上司に出す事はできても個人の力ではどうにも改善出来ない部分です。
しかし自分のやり方次第で、仕事を少しでも早く終わらせることはできます!
今回は残業を減らす工夫のうち、個人レベルで出来ることを5つにわけて紹介します。
- 定時であがりたいのに残業ばかり
- 1分でも早く仕事を終えたい
- フルタイムの人にも早く帰って欲しいから、なるべく仕事を残さずに引き継ぎをしたい
毎日の残業を少しでも減らしたい!と感じている方。
新しい発見があるかもしれないので、ぜひ一度チェックしてみてくださいね。
1.残業を減らすための心得


早め早めに終わらせる
病棟業務の場合、毎日決まった時間に行うルーチン業務があります。
- 血糖測定
- 経管栄養をつなぐ
- 注入薬を溶かしておく
- 点滴を作っておく etc……
まずはこういったルーチン業務を自分の予定している時間よりも5分から10分早めに終わらせましょう。
早め早めに動くことで、時間と思考の余裕が生まれます。
ルーチン業務に落とし込む
やるべき業務を意識的にルーチン業務に落とし込んで、脳のリソースをなるべく空けることに専念しましょう。
- 脳で考えなくてもスムーズに仕事に入れる
- 効率よく動ける
- 確認ミスを減らせる
といったメリットがあり、時間短縮にもつながります。
詳しい手法はこちらの記事の最後のほうで紹介しているので、参考にしてみてください。


急いでいるときほど、確認作業は怠らない
急いでいるときほど確認もれをしてしまい、インシデント・オカレンスが起こります。
特に点滴や内服薬は要注意です。
どんなに急いでいるときでも、マニュアルに従って6Rを確認をしましょう。
- 正しい患者:患者本人か?名前や生年月日をリストバンドで照合し名乗ってもらう
- 正しい薬剤:薬剤の指示内容と準備物が合っているか?
- 正しい時間:指示どおりの開始時間、終了時間、投与スピードか?
- 正しい容量:投与量が正しいか?
- 正しい用法や経路:皮下注射や筋肉注射など、投与経路が正しいか?
- 正しい目的:その薬剤が患者の状態に合った、正しい目的で処方されているか?
特に間違えやすいのが、点滴を用意する際です。
- 指示はポタコールR250mlだが、薬剤部から払い出しされたものが500mlでそのまま投与した
- 24時間持続点滴で朝11時と夜23時に更新する予定が、朝11時に夜分を繋いでしまった
- 生理食塩水(70ml)+アドナ1A+トランサミン1Aの指示だったが、100mlのボトルから30ml引かずに100ml全量にアドナとトランサミンを注入してしまった
私も看護師を10年以上経験していますが、急いでいると指示との照合時のミスをしてしまう人が(周りも自分も含めて)本当に多いです。



いついかなるときでも指示簿をきちんと読み上げ、指差し呼称を徹底しましょう。
また、焦ってアンプルカットを失敗して指を切る、輸血ルートやCV専用ポンプルートをつなぐ際に気泡が入りまくるなどといった新人のようなミスをしてしまうこともあります。
点滴準備の際はおしゃべりはせず、落ち着いて確認しながら確実に行いましょう。
後回しにしない
Dr報告、患者の少し面倒な処置など、その場でサッと出来ることはしてしまいましょう。
後回しにしてばかりいると
- 単純に自分が忘れてしまう
- 医師への報告が遅くなったことで診察や処置が遅れ、終業間際がバタつく
- 結局翌日に回す羽目になる
などと、マイナスの連鎖が起こってしまいます。
ほかにも、患者さんを待たせてしまいトラブルになったり
場合によっては症状が悪化してしまう可能性もあります。



(たしかに、「あとで〜」が口癖の先輩が昔いたけど、Drへの報告もれや確認し忘ればっかりだったな……)
Drへの報告や確認、家族への電話連絡など
自分以外の人間が絡むことはできるだけ早く終わらせてしまいましょう。
やるべきこと(残務)を定期的に確認する
常にやるべきことを整理することで、処置やケアのし忘れや確認忘れが減ります。またベストタイミングでやるべきことを行えたり、手の空いたスタッフに頼めたりできるので、常に頭のなかでやるべきことを整理しましょう。
- 朝のラウンドが一通り終わったとき
- 休憩に行く前
- 休憩から帰ってきたとき
- 午後のラウンドに行く前
など、一日に数回時間を決めて定期的に残務を確認しましょう。
患者を深く理解する
患者理解を深めることも、ナースコールや雑務を減らすことにつながります。



決まった時間にナースコールが鳴る患者さんって、たまにいるよね。
- 膝の痛みを減らすために、朝のリハビリ前にアイスノンがほしい
- 食前薬を昼食30分前ちょうどに飲みたい
- カーテンが開いているから最後まで閉めてほしい
患者の病状はもちろんのこと、性格や意向を把握し共有することで、
- 「朝のラウンド時にアイスノンを持って訪室する」
- 「昼食35分前、ナースコールがなる前に薬を持っていく」
- 「『カーテンを最後まで閉める』と書いた札をカーテン部分に貼り付けておく」
などといった対応ができます。それを申し送りして共有すれば、他のスタッフの時短にもつながります。



うーん。改まって言われる程のことでもないような……。



日々の業務の多さに押しつぶされて、「ナースコールが鳴ったらその場で対応」という状況に無意識に慣れてしまっている看護師も多いよ。
「この患者さん、いつも似たようなことで似たような時間に呼んでくるな?」とまずは気づくこと。
そして、どうすれば患者さんにナースコールをわざわざ押させることもなく・看護師が往復してコール対応しなくてもすむかを一歩立ち止まって考えてみましょう。
そのほか、ナースコールが頻回な患者がいる場合も「頻回に鳴らす原因は?その原因はどうすれば取り除けるのか?」を考えて見て下さい。
この先輩(後輩)が患者対応したあとは、ナースコールが少ない!と思えるスタッフが周りにいれば、どんなことをしているのか観察してみましょう。何に気をつけているのかを聞いてみるのも一つの手です。
2.装備を整えて時短につなげる


自分用テンプレートを用意する
新規入院患者の入院取り、その日の担当患者の部屋持ち業務など、業務ごとに自分が取り組みやすいテンプレートをを自分が書き込みやすい用紙を作ってしまうのも良い手です。



仕事の早い先輩がA4サイズのオリジナルの入院取り用紙を作ってたなぁ



テンプレート用紙を作るのが面倒なら、いつも持ち歩いているメモ帳に業務チェックリストを作るのも◎
ポケットの中身は効率的に!
ポケットの中身は定期的にチェックしましょう。
- いらないものは入っていないか?
- 欲しいものがすぐ取り出せられるか?
- ヒモが絡まっていないか?



そういえば私も、①首からかけるピッチ、②ポシェットみたいにかけてる消毒スプレーボトル、③首にかけている聴診器がいつもぐちゃぐちゃに絡まりあってる……



ウエストポーチで収納するのもオススメだよ!


3.看護記録はすばやく


記録はテンプレートで簡略化
看護記録を書く際に、自分の中でテンプレートや書く順番を脳内で作っておきましょう。
- 重要薬の持続点滴スピード等
- 呼吸状態(酸素投与量、呼吸回数と呼吸様式、肺の聴診結果)
- 循環動態(心電図モニター波形、浮腫の有無、末梢冷感やチアノーゼの有無、インアウトバランス)
- 意識レベル(JCSまたはGCS)
- ほか全身の評価(排便排尿、腸蠕動音や腹部症状、皮膚異常など)
(例)
◯◯◯(薬剤名)8ml/hで持続投与中。
O2:5 Lマスク投与下、SPO2:95% 肩呼吸あり。両肺胞音良好に聴取、エア入り左右差なし。
BP:96/54mmHgモニター上HR:70台AF波形 PVC散発 下肢浮腫著明(左>右)、末梢冷感やチアノーゼなし。尿量:500ml/日。
JCS:200 痛み刺激にわずかに指先が動く程度。
泥状便続いており肛門周囲にびらんと発赤あり、亜鉛華単軟膏塗布する。
一番大切なのは「過不足のない情報を書くことで、記録から全身状態が容易に想像できること」です。
そのうえで、記載内容のまとめ方や書く順番をテンプレート化してしまいましょう。
私は重症記録はなるべくABCDEアプローチを意識して書いていますが、もちろんこの限りではありません。病院ごとにマニュアルが決まっていればそれに従うべきですし、自分が書きやすいやり方であること・見た人がわかりやすい記録として残すことを両立させることが大切です。



以前勤めていた大学病院の病棟では、重症患者の記録をみんな【意識】【呼吸】【循環】【排泄】に分けて書いてました。
※ABCDEアプローチ……急変兆候のある患者が生命活動を適切に維持出来ているかどうか、すばやく全身状態を把握するための観察手順の一つ
書類関係の記入ルールは、その書類自体にメモする
入院診療計画書、身体拘束関係の書類、転倒転落に関する書類などは、どこの病院でも必要な書類です。
電子カルテを採用していても、大抵は患者や患者家族にA4用紙の書類という形で説明しながらお渡しするのではないでしょうか。



せん妄予防、栄養評価、認知症関係、褥瘡関係……入院時に作成する書類や入力項目って結構あるけど、細かいルールを忘れがちなんだよね
書類自体をコピーしておいて、その書類にどういうルールで入力するか、メモを取って保存しておきましょう。
こういった書類は毎日入力するものでもありません。久しぶりに入力するときに思い返せるようにしておくと、後々の自分が楽ですし時間短縮につながります。



わたしも育休復帰して2週間のうちに、書類入力のルールをそれに詳しい係の先輩に聞き、その内容を印刷した紙に直接赤ペンで書き込んでいました。今でも時々見返しています!
タイピング練習をする
電子カルテの職場で働いている人は、タイピング能力一つで記入時間に大きな差がつきます。
パソコンを持っている人は、自分のタイピングが早いのか遅いのか、ぜひネット上のタイピング練習ページで自分のタイピングレベルやタイピングのクセを確認してみましょう。
e‐typingでは自分のタイピングの入力ミスキーがわかるので、入力ミスや速度アップにもつながります。



私の場合は、指は早く動くけど「ー」「、」「。」キーをいつも間違えて押すから削除キーばかり連打してるかも
4.対人関係をスムーズにしておく


ふだんから周りのスタッフのフォローを意識する
アンテナを張り、周りのスタッフのフォローを視野に入れながら動く
周囲にアンテナを張りながら、周りの人の「困った」のフォローをしながら動いてみましょう。周囲のスタッフに協力的に動いていると、自分が困っていたり多重業務に追われているときに手を差し伸べてもらいやすいです。
今日はどうしても早く帰りたい!というときも、助けとなってくれるはずです。



自分の抱えている業務内容と比べて、「これくらいならこっちに時間を割いても大丈夫かな」と思える範囲で大丈夫。
困っているスタッフ、多重業務に追われているスタッフをみて、「もし自分がこの人だったら、このタイミングでほしい」と思う手助けの手を差し伸べてみましょう。
周囲があまりやりたくない仕事を率先して引き受けるして引き受ける
神経質な患者さんの点滴ルート留置、全介助で車椅子移乗トイレ介助、徘徊患者のセンサーマット対応など、気持ち的に・体力的にみんなが避けがちな業務やナースコールを自分から率先して行ってみましょう。



でも全部引き受けてばっかりだと正直ツライ。
あと、何でも押し付けて来るスタッフがいるんだよね。
- どうせやらないといけない仕事なら、笑顔で引き受ける
- どうしてもやりたくない仕事なら、説得力のある理由とともに断る
このように、自分のなかでハッキリと線引きしてみるのも手です。
感謝の言葉を会話の端々に滲ませる
何かを教えてもらったとき、狭い廊下で道をゆずってもらったときなど、「〇〇さん、ありがとうございます」と感謝の気持ちをきちんと相手に伝えましょう。



相手の名前を呼び、目を見て、感謝の言葉を伝える!
対人関係をスムーズにしておくと、必要な情報が回ってきやすいです。
また、後々自分にいろんなものが返ってきますし、精神的にリラックスして仕事に臨めるので作業効率のアップにもつながります。
リーダーに相談する
リーダーにはスタッフ間の仕事量を均等に調整する役割もあります。
業務が立て込んでいるときは、早い段階でヘルプをリーダーに求めましょう。
- カンファ、IC、転棟、退院などの時間が被っている
- 不穏患者や認知症患者などの見守りの必要な患者がいる
- 点滴投与、血糖測定、経管栄養注入などの看護処置が必要な患者が地味に多い



日々多重業務に追われているから、業務の時間をずらしたい・代わりに他のスタッフに頼みたいときってけっこうあるのよね
助けを求める場合は「この部分を誰かに手伝ってほしい」という解決策を明確に持って
相談したい場合は「どうしたらいいか困っているので一緒に考えてほしい」という意思を持って
リーダーに報告・連絡・相談しましょう。
5.定時15分前から仕事の調整を意識する


仕事内容の引き継ぎを早めにする
周囲のスタッフは全員が全員時短スタッフの定時を意識して動いているわけではありません。定時10分前くらいから、残務の確認と称して自分の仕事内容の引き継ぎをしましょう。
- 「あと残っているの(仕事内容)って、◯◯と△△と□□ですかね?〇〇はしておくので、あとお願いしても大丈夫ですか?」
- (定時の時間を聞かれたときなど)「あと15分でいけるとこまで検温ガーッと回りますね!」「〇〇さんの検温と記録までして帰りますね」
定時間際ではすぐ終わる仕事だけ請け負う
すこしせこいのですが、定時前はすぐ終わる仕事だけ請け負いましょう。
たとえ定時前までに仕事を終わらせていたとしても
- 5分前に点滴ルート留置を頼まれて、留置が難しく20分かかった!
- ナースコールに出たらトイレ介助に15分かかった!
なんてことも普通に起こります。逃れられないときは逃れられないので、諦めが肝心なときもありますが
- 日中他人よりも進んでナースコールを取るかわりに、定時間際はナースコール板の近くに行かない
- 退勤5分前は患者の部屋になるべく近寄らない
- 仕事を退勤5分前の時間までに終わるようにしておき、3分前にトイレに行ってから帰る
など、他のスタッフの負担にならない程度の退勤直前マイルールを作っておくのも良いです。



その分、勤務時間内にしっかりと貢献していれば問題ないです!
まとめ:少しでも定時退勤しやすい環境を自分から作りにいく!


自分から定時退勤しやすい環境を作りにいくためのポイントを紹介しました。
- 責任をもって真摯に働いている
- 周囲のフォローを日常的にしている
- 自分の仕事の引き継ぐ先の人に配慮している
そんな時短看護師であれば、きっと周りのスタッフも協力してくれるはずです。
ここ意識していなかった!という部分があれば、ぜひ参考にしてみてくださいね。
