CRC(治験コーディネーター)の仕事内容が気になっている方へ。
- 「CRCはどんな仕事?」
- 「看護師から転職する人は多い?」
- 「実際の1日の流れや大変なことは?」
このように気になっている方も多いのではないでしょうか。
CRC(治験コーディネーター)は、患者対応だけでなく
データ管理や医師・製薬会社との調整などを担う専門職です。
CRC(治験コーディネーター)の主な仕事内容は、次のとおりです。
- 患者対応(同意説明補助、来院対応)
- 診察サポート
- 検査スケジュール管理
- 症例報告書(CRF)入力
- CRAや院内スタッフとの調整 ほか
この記事では、現役CRAと元CRCへのインタビューをもとに、
現場のリアルな声も交えながらCRCの仕事内容を分かりやすく紹介します。
- CRC(治験コーディネーター)の主な仕事内容
- 治験の流れ
- 1日のスケジュール
- 大変なこと・ギャップ
「思っていた仕事と違った」と後悔しないためにも、
転職前にリアルな仕事内容を知っておきましょう。

- 看護師11年目、現在は急性期病棟で時短勤務中
- 夫、5歳、1歳の4人暮らし
- 育休復帰2回、転職2回。大学病院や訪問看護も経験
- 仕事は好きだけど、家庭が最優先!
ママナースの日々の悩みやストレスを
少しでも解消できるような情報を発信しています。
治験とは?CRCの仕事と関わる基本知識

日本で新しい医薬品を販売するためには
厚生労働省の承認が必要です。
その承認を得るために行われるのが「治験(臨床試験)」です。
治験では
新しい薬の有効性(本当に効果があるか)と
安全性(副作用は問題ないか)を
段階的に確認していきます。
一般的に治験は、次のような段階で進められます。
第一相試験(フェーズ1)
少人数に低用量から投与し、血中濃度の変化などのデータを得ます。
第二相試験(フェーズ2)
対象者数を増やし、有効性(実際に薬が効いているか)を確認します。
第三相試験(フェーズ3)
大量の人に投与しデータを得ます。
CRCは看護師のように患者対応が中心ではなく
「調整・管理業務」が中心になります。
CRC(治験コーディネーター)の仕事内容とは?|役割と主な業務

CRC(治験コーディネーター)は、医師・患者・製薬会社の間に立ち
治験が安全かつスムーズに進むように調整・サポートを行う仕事です。
看護師のように医療行為を行うのではなく
調整・管理・サポートが中心となるのが大きな特徴です。
- 患者対応(同意説明補助、来院対応)
- 医師の診察サポート
- 検査や来院スケジュール管理
- 症例報告書の入力
- 文書作成業務
- 医師やCRA(臨床開発モニター)との連携・調整
※CRA(臨床開発モニター):製薬会社側の担当者で、治験が正しく行われているかを確認する仕事です。
それぞれの業務をもう少し具体的に見ていきます。
具体的なCRCの仕事内容は?|治験の立ち上げから終了まで、一連の流れ

CRCの仕事は、治験の進行にあわせて業務内容が大きく変わります。
具体的には、次の3つの段階に分かれます。
- 1.治験の立ち上げ
- 2.治験実施中
- 3.治験の終了
それぞれで求められる役割や忙しさも大きく異なります。
1.治験の立ち上げ
治験の立ち上げとは
その施設(病院・クリニック)で治験を開始するまでの準備期間のことです。
製薬会社が治験を実施する医療機関を決定し
契約や審査を経て、ようやく治験がスタートします。
この立ち上げ段階では、CRCも多くの準備業務を担当します。
- 各部署との調整(検査部門・薬剤部・医事課など)
- 治験関連文書の作成・確認
(同意説明文書、ワークシート、治験参加カードなど) - 医師への署名書類の依頼・回収
- 治験費用に関する院内調整
- リクルート(治験参加候補患者を集めること)
- CRCチェックリストの作成
また、患者が別の医療機関を受診した際に
治験参加中であることを伝えるための治験参加カードや
他院へ患者紹介を依頼する他院レターなどの準備も行います。
立ち上げ時期は、院内のさまざまな部署と調整する必要があるため
CRCの業務量が一時的に増えることもあります。
元CRCの義妹立ち上げ時期は、特に他部署との調整が大変です。
さらに、治験はIRB(治験審査委員会)の審査・承認を経て、
医療機関と製薬会社の契約が結ばれたあと正式に開始されます。
こうして準備が整うと、その施設で治験がスタートします。
2.治験実施中
治験患者が登録(組み入れ)されると
CRCの業務は本格的に動き始めます。
- 患者対応(来院時の案内・説明)
- 診察のサポート
- 検査スケジュールの管理
- 症例報告書(CRF)の入力
- CRA(臨床開発モニター)との連携
- 同意説明文書の改定対応
特に患者が初めて登録された直後は業務が集中しやすい時期です。



治験期間中、組み入れ直後が一番忙しいです。特に1例目の患者だと、プロトコル通りに進めるためにかなりバタバタします。
CRCは複数の治験を同時に担当することも多く
繁忙期が重なることもあります。
多くの施設では、1つの試験を複数のCRCで担当する体制になっており
主担当・サブ担当などに分かれて業務を分担しています。
そのため、チーム内で調整しながら休みを取りやすいという声もあります。



逆に言えば、複数ある試験から細かい業務を請け負うこともよくあります。
また、試験ごとにプロトコル(治験実施計画書)の内容が異なるため
複数の治験を担当しているとスケジュール管理や業務内容が混乱しやすいという声もあります。
同意説明文書の改定
治験では、患者に治験の内容やリスクを十分に説明し
同意を得る必要があります。
そのため、安全性情報の更新などがあった場合は
同意説明文書を改定し、患者へ再度説明を行う必要があります。
例えば
- 新しい副作用情報の追加
- 検査スケジュールの変更
- 採血項目の追加・削除
などがあると、文書を修正し、患者へ改めて説明します。



『この治験薬を投与した時、10%以上の患者が食欲不振になった』みたいな情報のことね。
SDV(Source Data Verification)対応
SDVとは
原資料(カルテやワークシートなど病院内のデータ)と
症例報告書とのデータの齟齬がないかどうかを検証する作業です。
治験薬投与中の患者のカルテ等をCRAが確認し
もし記載内容に間違いがあれば、CRCへ確認や修正依頼が入ります。



『症例報告書にはK(カリウム):6.4とあるが、カルテにはK:6.5と記載してあるので修正お願いします』などと言われたりします。



CRAは県外出張が多いんだけど、ほぼSDV対応。ついでに試験の進捗状況や患者病態もCRCと共有するよ。
このように治験実施中のCRCは
患者対応だけでなくデータ管理やCRAとの連携など
多くの業務を同時に進めながら治験を支えています。
3.治験の終了
治験が終了すると
CRCは試験の最終確認や書類整理などの業務を行います。
- 医師の署名が必要な書類の回収
- 治験関連文書の保管・管理の確認
- 症例報告書の記載漏れチェック
- 最終データの確認
- 治験終了手続き
立ち上げ時や治験実施中と比べると
CRCの業務量は比較的落ち着くことが多いです。



文書集めがメインかも。
治験では、治験実施計画書や同意説明文書、各種報告書など多くの文書が発生します。
これらの文書は、GCPに基づき医療機関で適切に保管する必要があります。
施設側のスタッフが行うこともありますが
CRCがその確認を任されることもあります。
また、治験に参加した患者のデータが
症例報告書に漏れなく記載されているかの最終確認もします。



『1年前の◯◯さんの採血データでCKが高いけど、先生の見解(有害事象として登録するかどうか)の報告記載がないよね』、といった事が起きないように行います。
治験では多くの書類やデータが扱われるため
最後まで正確に管理することが重要です。
CRCの1日の流れ|実際の業務スケジュール


CRCの1日の流れは
「患者対応がある日」と「ない日」で大きく変わります。
7:00 起床、朝食準備、子どもの支度
8:30 保育園へ送る
8:50 担当医療機関へ直行
9:00 治験患者対応(来院対応・同意確認補助・検査の付き添い)
11:00 診察付き添い、医師にオーダー依頼
13:00 午前対応終了、昼食
14:00 症例報告書入力、データ確認、メール対応
15:45 業務終了
16:30 保育園へお迎え
7:00 起床、朝食準備、子どもの支度
8:30 保育園へ送る
8:50 出社(オフィスもしくは病院のCRC専用室)
9:00 業務開始
―症例報告書の入力
―症例報告後の質問回答
―文書作成
12:00 昼食
13:00 業務再開
15:45 業務終了
16:30 保育園へお迎え
ここからは、患者対応のある日を例に
詳しく見ていきます。
8:50 出勤直後|その日の患者スケジュール確認
治験患者さんが外来予約時間に来院するまでの間
CRCはカルテから患者情報やその日の検査スケジュールをチェックします。



どんな疾患・既往の患者さんだったか、カルテをみて思い出すところから始めます。
治験では、検査・投薬・診察などのタイミングや手順が
プロトコル(治験実施計画書)で細かく決められています。
そのためプロトコルをもとに作成されたCRCチェックリスト(TODOリスト)に沿って
内容を確認することが多いです。
- 予定されている検査の手順や順番
- 現病歴や既往歴
- 他科受診の結果
- 前回の検査結果やレポート
このように、事前にカルテとプロトコルを照らし合わせておくことで
患者さんが来院した際にスムーズに進むよう準備します。
9:00 患者来院:検査や診察の進行をサポート
患者さんが来院すると、検査予定を共有して
検査回りに付き添います。
プロトコル(治療実施計画書)に沿った手順で検査が行われるように
CRCチェックシートを確認しながら各部署に根回しをして進めるのが仕事です。



治験薬やフェーズによって、患者来院対応の忙しさは全然違います。



一番忙しいのはがん試験の第一相試験(フェーズ1)かな。
具体例:『12誘導心電図→採血→治験薬(点滴)投与』という流れの場合
例えば、次のようなスケジュールがプロトコルで決められていることがあります。
- 治験薬投与の1時間前に12誘導心電図を施行
- その後採血を3本採取
- その後に治験薬(点滴)を投与
このような流れの場合、外来の部署配置や受診の流れを把握していないと、
- どの場所で心電図を取るのか?
- 心電図の後に採血と投薬を1時間以内に終わらせるようどう段取りするか?
というような課題が出てきます。
また「12誘導心電図は仰臥位を5分間保った後に3回測定する」など
検査方法までプロトコルで細かく決められているこもあります。
その場合、検査前に技師に伝えておく必要があります。



治験開始前に各部署へ根回しをしておいて、
当日『この治験患者さんを優先的に、この手順でお願いします』と
頼むこともあります。
また、採血などを実施した正確な時刻を症例報告書に入力する必要があります。
CRCが自分でメモして把握しておくことも多いですが
検査技師などのスタッフにカルテ記載を依頼することもあります。
11:00 診察対応|医師へ検査オーダーや書類確認の依頼
患者さんが検査を終えて診察を受ける際
CRCは医師に必要な確認や依頼を行います。
- 治験スケジュールの確認
- 次回来院日の調整
- 必要な検査のオーダー依頼
- 同意説明文書や書類の確認・署名依頼



『次回はこの日に来院予約を入れて下さい』とか、『プロトコルによると治験薬投与◯日目にこの検査(採血、レントゲン等)をするのでオーダーを入れて下さい』などと、先生にお願いしています。
空き時間|データ入力や書類作成
患者さんが外来を受診している間
CRCがずっと付き添っているわけではありません。
検査や診察の合間の時間に、別室でデスクワークを行うこともあります。



検査の進み具合をカルテ上で確認して、終わりそうなタイミングを見計らって患者さんのところに行く、みたいな感じです。
CRC専用室では主に次のような業務を行います。
- 症例報告書の入力
- 次回の患者対応の準備(採血スピッツなど)
- 会計用書類の作成
- レセプトや請求書の確認(月末)
また、デスクワークは病院内のスペースを借りて行うことが多いです。
CRC専用の部屋がある施設もあれば、院長室の一角や空きスペースを使うこともあります。



1畳ほどの納戸を借りていたこともありました(笑)。
スタッフ休憩室を借りている場合は。休憩時間になると場所を空けないといけないので、外でランチをしていました。
CRCの仕事で大変なこと・ギャップを感じやすいポイント


CRCの仕事はやりがいのある仕事です。
しかし、転職して実際に働きはじめると
いくつかのギャップを感じることもあります。
ここでは、看護師の仕事と比較したときに感じやすいポイントを紹介します。
組み入れ目標がある場合がある
CRCには治験ごとの「組み入れ目標」があり
治験参加患者を確保する役割があります。
先生や他院からの紹介というルートもあるので一概には言えませんが
上司から「今月は何人組入れられそうか」と確認されることはよくあります。



営業のノルマほどではないと思いますが、上司から『数字』を言われるプレッシャーはありました。
看護師の仕事では会社の利益のために「目標値」を意識する場面はあまりないため
この点にギャップを感じる人もいます。
デスクワークが想像以上に多い
CRCは患者対応の仕事というイメージがありますが
実際にはパソコン作業や書類業務も多い仕事です。
- 症例報告書の入力
- 各種書類の作成
- 治験関連の資料整理
患者カルテやワークシートの内容を確認し
そのデータを症例報告書へ転記する作業もCRCの大切な仕事の一つです。



患者のデータが集まれば、当日中に1時間弱くらいで症例報告書に入力していました。頻度は多いけど、そこまで時間がかかる作業ではないです。



会社にもよるけど、一般的に症例報告書への入力は4,5営業日以内と決まってるよ。
プロトコル(治験実施計画書)という厳密なルールがある
治験では、プロトコル(治験実施計画書)というルールに沿って業務を進めます。
検査のタイミングや投薬方法などが細かく決められており
その手順を守ることが重要です。
しかし、プロトコルの解釈に迷う場面も多々あります。
その時は、依頼者側の担当者(CRA:臨床開発モニター)へ確認することもあります。
- 「痒みに対し治療を行っている人はNG」という条件に対し、花粉症で抗アレルギー薬を内服している場合は「痒みに対する治療」に含まれるのか?
- 「心エコーの検査結果がスクリーニング時よりも15%低下したら治験薬を休薬」というのは、75%−15%=60%以下なのか、それとも75%あるうちの15%低下(75%✕0.85=63.7%以下)なのか?



ダブルチェックのような感じでCRAさんに確認しています。
医師対応|忙しい医師に書類や所見を依頼する
CRCの仕事の中で意外と多いのが医師対応です。
- 同意説明文書への署名依頼
- 治験組み入れ患者の選定や相談
- カルテへの所見記載の依頼
GCPでは、その医療機関で実施される治験の最終責任は
責任医師が負うことになっています。
そのためCRCは、責任医師としての見解書などの署名文書を得るサポートを行います。
また、CRCはカルテに記載されていることの転記しか出来ません。
医師の所見や見解の記載がなければ
医師に記載してもらったうえで症例報告書に転記する必要があります。
たとえば、検査値に異常があった場合
「AST:60は基準値外だが、一時的なものであり有害事象とはしない」
というような内容の医師所見を書いてもらい、それを症例報告書へ転記します。



NCS(臨床的意義なし)、という判断をカルテに書いてもらうことが結構ある。
医師は外来や病棟業務で忙しいため
診療の合間を見ながら依頼するタイミングを見計らうスキルが必須になってきます。
勤務時間外の対応がある|患者からの電話、SAE(重篤な有害事象)
看護師の仕事はオンオフが比較的はっきりしており
業務時間外に仕事の連絡が来ることはほとんどありません。
一方CRCの仕事では、勤務時間外に連絡が入ることもあります。
1.患者からの電話対応
連絡内容ほとんどは、治験患者さんからの問い合わせです。
- 治験薬を朝飲み忘れてしまった
- 歯医者で処方された薬を飲んでも大丈夫か
など、相談内容はさまざまです。
施設によって対応方法は異なりますが
子育て中の時短勤務のスタッフがいる場合は
「夕方以降の電話の第一連絡先はフルタイムのCRCが担当する」
といった形で調整することもあります。



時短の先輩は「16時以降は電話対応を他のひとに任せる」という働き方をしていました。
2.SAE(重篤な有害事象)が発生した場合
SAE(重篤な有害事象)には、次のようなものがあります。
- 治験患者の入院
- 入院期間の延長
- 医師が重篤と判断した症状
- 病状の進行 ほか
GCPでは、医師が依頼者(製薬会社)へ24時間以内に報告することが求められています。
実際の現場では、CRCが情報を受け取り、医師に確認してカルテへ記載してもらい
その内容をもとに報告書を作成するという流れが多いです。
そのため、治験参加患者が入院した際にはCRCへ連絡が入るように
カルテのトップにメモを残したり、治験参加カードに連絡先を記載する
などといった対応をしておくこともあります。



朝外来受診予定の患者さんのカルテを見て「入院されている!SAEだ」と気づくケースもあります。
SAE自体はそこまで頻度は多くありませんが
勤務時間外に連絡が来た場合は速やかな対応が求められます。
発生時間によりますが、同日中に事実確認と記録確認に向かうケースもあれば
翌朝に回して、出勤後すぐに確認し症例報告書に転記するというケースもあります。



わたしはあまりSAEの経験がなく、3年間で7〜8回くらいでした。



がん試験を担当しているともう少し多くて、先月は2回あったよ。
院内外の多くの関係者とやり取りがある
CRCの仕事は、患者や医師だけでなく
院内外のさまざまな関係者と連携する必要があります。
例えば、次のような人たちと日常的にやり取りをします。
- 医師
- 看護師
- 検査部門(臨床検査技師など)
- 医事課
- CRA(臨床開発モニター)
- 検体回収業者
- 治験薬搬入業者
- 治験事務局
対面でのやり取りもありますが
メールや電話でのやりとりも多いです。
看護師の仕事では院内でのコミュニケーションが中心なので、
コミュニケーション相手がいつもと同じになりがちです。
そのため、CRCのビジネス的なやり取りが増える点にギャップを感じる人もいます。
外部と連絡を取る際は、メールの書き方や報告・連絡の仕方など
看護師ではあまり使わないビジネスコミュニケーションスキルを身につける必要があります。



私も最初の頃は、先輩のメールを見ながら書き方を真似して覚えていきました。
ここまで大変なこと・ギャップを感じることを紹介してきました。
しかし、これらはそのまま
自分にとってのデメリットに直結するわけではありません。
むしろ自分にとってメリットになる場合もあります。



書類作業が多くて大変だけど、パソコン作業が好きだから苦にならない、とかね。
CRCのメリット・デメリットについてはこちらの記事でまとめているので
自分にとってのメリット・デメリットかどうか、気になる方は参考にしてみて下さい。


院内CRCとSMO(治験施設支援機関)CRCの違い


CRC(治験コーディネーター)には大きく分けて
「院内CRC」と「SMO CRC」の2種類があります。
院内CRCは、病院に直接雇用されて働くCRCです。
SMOのCRCは、SMO(治験施設支援機関)という企業に所属し
病院に出向いて治験業務をサポートするCRCです。
同じCRCでも所属する組織が違うため、
働き方や立場、関わる人などに違いがあります。
院内CRCとは(病院所属)
院内CRCは、病院に直接雇用されているCRCです。
つまり、病院スタッフの一員として働きます。
- 業務の多くが院内で完結する
- 関わる医療スタッフは基本的に同じメンバー
- 採用はCRC経験者が求められるケースが多い
院内CRCの体制は病院によってさまざまで
- CRC業務を専任で行う場合
- 他部署から異動してきた看護師や薬剤師が担当する場合
- 通常業務に加えてCRC業務を行う場合
など、いろいろな形があります。



院内スタッフとの距離が近いのがメリット。先生へのアポも取りやすいです。
求人はSMOのCRCに比べると少なく、CRC経験者のみという条件の病院もあります。
SMO CRCとは
SMO CRCは、SMO(治験施設支援機関)という企業に所属するCRCです。
- 病院やクリニックなど複数の施設を担当する
- 施設ごとにスタッフややりかたが異なる
- ビジネスライクに関わる事が多い
SMOは病院から業務を受託し
CRCを派遣する形で治験をサポートします。
そのため、病院側からしてみれば
「外部から来ているスタッフ」という立場になります。



仕事持ってくるよそ者扱いされることもあるけど、一定の距離をおいてビジネスライクに付き合えるのは1つのメリット。
また、治験にはビジネスとしての側面もあります。
一般的に「患者1人を試験に登録する=売上につながる」
という構造になっているため、
上司から今月は何人登録できそうか?と
数字に関するやり取りが発生することもあります。
そのためSMO CRCの中には
症例数に関するプレッシャーを感じる人も一定数います。



患者組入れの数のプレッシャーが一番つらかったです。
でもいろんな試験や施設を担当できるので毎回新鮮でした。
院内CRCよりもSMOのCRCの求人のほうが圧倒的に多いです。
SMOのCRCは未経験者の割合がかなり多いため、研修制度が整っているのも魅力の一つです。
CRCに転職した後の流れ|研修・OJT・独り立ちまで


CRCとして入社した後の育成方法は
会社や個人の経験によって異なりますが
一般的には次のような流れで業務を覚えていきます。
1.座学研修(治験の基礎を学ぶ)
まずは社内で座学研修を受け、治験の基礎知識を学びます。
- 治験の基礎知識
- GCP(医薬品の臨床試験の実施基準)
- CRCの業務内容
- 理解度チェックテスト
会社によって期間は異なりますが
数週間から1〜2か月ほど座学研修が行われることが多いです。
2.サブCRCとして現場に入る
座学研修が終わると担当施設が1〜2施設割り振られ
すでにその施設を担当している先輩CRCのもとで実務を学びます。
この段階では、サブCRC(副担当)として試験に協力者登録されます。
- 患者対応の補助
- 医師対応のサポート
- 書類作成の補助
- 検査スケジュール管理の補助
座学を終えたあと、大体3か月〜半年ほど続くことが多いです。



先輩についてひたすら学びます。モニター(CRA)との直接のやり取りは、基本的にメインCRCが担当します。
3.主担当試験を持つ
ある程度業務に慣れてくると、
先輩CRCのサポートを受けながら
主担当試験を持つようになります。
多くの場合は
- 既存試験の主担当を引き継ぐ
- 先輩CRCと共同で担当する
といった形でスタートします。
4.新規試験の立ち上げを経験する
さらに経験を積むと、
新規治験の立ち上げにも関わるようになります。
最初は先輩CRCの立ち上げ業務を見学(シャドーイング)するところから始まり、
その後は新規試験の主担当CRCとして任されるようになります。
- 4月に入社し、1〜2か月は座学研修を受ける
- 6月頃から施設を1つ担当し、その施設で実施されていた3〜4試験にサブCRCとして参加
- 10月頃からメインCRCとしての業務を任され始める
- 12月末には新規試験の立ち上げを先輩のシャドーイングで経験
- 2年目4月頃には新規試験の主担当を任されるようになる



私は新卒入社でしたが、未経験でも元看護師ならもっと早いかもしれないです。
このように、CRCは未経験からでも段階的に業務を覚えて行くことが出来ます。
CRCの仕事はどんな人に向いている?


CRCの仕事には向き・不向きがありますが
特に「看護師から転職してきて活躍しやすい人」の特徴は次のとおりです。
- スケジュール管理やマルチタスクが得意な人
- 正確な事務処理やパソコン作業が苦にならない人
- 医師や他職種と円滑に連携できる人
- 数値やデータを冷静に扱える人
- 新しい知識を継続的に学べる人
CRCは、患者対応だけでなく書類作成やスケジュール管理など
複数の業務を同時に正確に進める力が求められます。
そのため、看護師としての臨床経験に加えて
調整力や事務処理能力も重要になる仕事です。
▼より詳しい向き・不向きについては、こちらの記事で解説しています


まとめ


CRC(治験コーディネーター)は
患者対応だけでなく、データ管理や関係者との調整など、
医療職と事務職の両方のスキルが求められる点が特徴です。
看護師からのキャリアチェンジ先としても需要がありますが、
実際の仕事内容には「想像とのギャップ」を感じる人も少なくありません。
そのため、転職を検討する際は、
仕事内容や働き方を事前にしっかり理解しておくことが大切です。
CRCの仕事に興味がある方は、実際に転職エージェントを活用して
情報収集をしてみるのも良い手です。
ちょっと気になる、程度の興味でOKです。
自分に合う仕事かどうかを無料で知ることができます。


