補完食の考え方では、離乳食をスタートする6ヶ月からタンパク質も摂取していくことが推奨されています。豆腐、卵、しらすなどの取り組みやすいものはともかく、肉や赤身魚などは離乳食初期にどう調理すればいいか、迷う方がほとんどだと思います。
もちろん、必ずしも食べさせなくてはならない訳ではありません。ただ、足りない栄養素をできる限り補ってあげたい、と考える方も少なくないでしょう。補完食の考え方では調理方法の情報が少ないため、特に初期の頃は迷うと思います。
・どんな種類のたんぱく質を食べさせてあげればいいかわからない
・鉄分不足対策に、鰹やマグロなどの赤身魚も試したい
そんな風に悩む方は、ぜひ私の実践例を参考にしてもらえればうれしいです。
※相川先生の補完食本とネットの情報を参考に試してみました。
私が離乳食初期に試したたんぱく質
豆腐、豆乳、黄な粉、納豆、卵黄、しらす、カレイ、鰹節、カツオ、鶏ささみ

離乳食初期(6ヶ月頃から)のタンパク質は肉や魚は約10-15g、豆腐は20g程度を目安にしています。
ここで注意したいのが、タンパク質はあまり早い時期(5ヶ月ころ)から試すと消化の負担になりうることが指摘されている点です。補完食は栄養が足りなくなる生後6ヶ月頃からの開始を進めていますし、今回私は補完食(離乳食)を初めて1ヶ月頃の、生後6ヶ月頃からのスタートとしました。
※マグロ(ツナ水煮缶)は中期になってしまいましたが、初期でもいけると思ったので記載しています。
※各項目、準備や調理のしやすい順、かつ食べさせやすい形態順に掲載します。
タンパク質選びで気を付けたこと
・食べやすく調理しやすい食品から試す(豆腐、しらすなど)
・卵黄は試す時期をむやみに遅らせない。(逆にアレルギー発症がリスク上がる)
食べさせる際に気を付けたこと
・初めて試すものは『平日の病院が空いている時間帯に一口から』を守る
・卵を増量する日は新しい食材は試さない
・経皮感作予防に、必ず口周りにワセリンを塗布する

まずは負担の少ない豆腐からスタートしました。
大豆製品・卵黄・魚・肉
豆腐
初めて食べた時期:3週目(17日目)
圧倒的に準備しやすく初期におすすめです。湯に潜らせて表面を加熱殺菌すると良いです。小分けの一口豆腐が使いやすいですが、正直割高なのでふつうのを使ってます。

子どもの分を取り分けたあと、
残りは大人の味噌汁につっこんでいます。
調理法
×冷凍(ボソボソになる)
⚪︎10-15g程度を皿に入れ、ポットの湯を入れる。全面を湯に潜らせたあと湯切り。スプーンで細かく滑らかに潰して与える。
子どもの反応
塊の部分は少し食べにくそうでしたが、極細かくしてあげれば大丈夫そうでした。(豆腐なのですぐ細かくなります)
豆乳
初めて食べた時期:7週目(43日目)
大豆製品でアレルギー物質でもあるので、豆腐を試したあとに少量からはじめました。
調理法
あらかじめレンジで解凍したお粥にかけて、600w10秒くらいでチン
失敗例
×カチカチに凍ったお粥に直接ぶっかけて、一緒にレンチン
→豆乳だけが先に沸騰してしまい、分離しました。(そりゃあそう)

お粥が冷たいのに豆乳は沸騰して分離…。面倒くさがらずに粥は先に解凍すべしです。
子どもの反応
クリーミーなお粥になったからか食い付きが良かったです。タンパク質が足りないかな?という日にお粥にちょい足しするのもアリです!
きな粉
初めて食べた時期:8週目(55日目)
調理法
お粥にかけるだけ(ミルク粥がおすすめです。パン粥でも◎)
子どもの反応
風味がよいのか気に入ったようでパクパク食べていました。粉をかけるだけなので簡単で食べやすいですし、朝食などにもおすすめです。豆腐が食べれた後くらいに試そうと思っていましたが、あげるのが遅くなってしまいました。
納豆
初めて食べた時期:8週目(56日目)
調理法
初めて試したのが離乳食中期にうつる間際になったので、市販のひきわり納豆にお湯をかけてお粥に混ぜただけでした。
もっと早い段階で食べさせるなら、熱湯を回しかけたあとに裏ごしするかすりつぶしてから上げるとペースト状になって食べやすいと思います。
子どもの反応
粒が気になるのか最初は進みがわるかったですが、そのうちパクパク食べてくれました。
大豆製品は離乳食初期だと豆腐やきな粉、高野豆腐(擦って粉にする)など調理しやすいものもあるので、中期になる手前からあげはじめるのでもいいかな~と思います。
ちなみに私は上の子の時にこの納豆パウダーを使っていました。使い勝手が良くてなかなかよかったです。
卵(卵黄)
初めて食べた時期:5週目(30日目)
固ゆで卵の、卵黄部分から始めます。アレルゲンの多い部分は『卵白>卵黄の外側>卵黄の中心部』なので、初めは卵黄の中心部付近をあげるとよいそうです。
耳かき程度の量からスタートして、アレルギー症状がないか確認しながら少しずつ量を増やしていきました。生後7か月のころ(離乳食開始から2か月)の時点で、1回で卵黄1個分が食べれるようになっています。
※アレルギー症状:口周りや皮膚の発赤・腫脹、まぶたの腫れ、喘鳴(ぜいぜいと言った呼吸)など。喘鳴や呼吸苦は気管が腫れ狭窄することで出るので命に関わります。即救急車です。
卵に関してはアレルギーの発症を予防するために、慎重に進めていく必要があります。上記の卵黄の進め方や量の匙加減について、詳しくはこちらの相川先生の補完食の本を参考にしました。
(上がわたしが持っている本、下が改訂版です)
卵黄をあげるまえに
・口周りが荒れている日は避ける
・初めての日だけでなく、増量する日も必ず平日午前中の病院が空いている時間帯にする
子どもの反応
卵黄粥にして与えると、美味しそうに両足をバタバタさせていました。パサつくのでお湯やミルクなどを加えると、なめらかになるので食べやすそうでした。
しらす
初めて食べた時期:3週目(21日目)
脂質が少ないため消化しやすく、柔らかいため初めての魚にもおすすめです。
調理法
茹でて塩抜きをしたあと、裏ごし器で裏ごしする。

熱湯をかけて5分置いても塩抜き出来るそうです。
子どもの反応
粥に混ぜてあげると『!?』とびっくりした顔でしたが普通に食べてました。生臭いのが気になるようでしたら、長めに茹でると臭みが取れます。
カレイ
調理法
ゆでた後、皮と骨を取り除いて身をすりつぶしてお湯や出汁などで伸ばします。
すりつぶし作業が地味に大変でした。繊維が細かいため、裏ごしは難しいです。
子どもの反応
可もなく不可もなしといったところで、パクパクと食べすすめていました。大人的には生臭みが気になったので、かつおぶしで取った鰹出汁で伸ばしていました。
かつおぶし
初めて食べた時期:4週目(32日目)
調理法
マグカップに鰹節1パック(5g)+お湯を注ぎ、茶漉しでこせば簡単に出汁が取れます。
※ぶっちゃけ初期は味付け不要の時期ですし、鰹節からの栄養も多くはないので、離乳食中期以降の味付けとして使うので良いと思います。

私はカレイと合わせて使っていたくらいです。
失敗例
×赤身魚を試す前に試そうと思い、細かく砕いてお粥に混ぜてふやかした
→粉にむせることもなく美味しそうにしていましたが、喉に張り付いてむせることもあるらしいので普通に出汁を取って試す方がよいです……。
カツオ
初めて食べた時期:6週目(38日目)
調理法
刺身やタタキが扱いやすいです。刺身を茹で、すり鉢ですりつぶすといいです。
※カレイ同様、繊維が細かいため裏ごしは難しいです。
失敗例
×カツオのタタキを焼いて包丁で刻んですりつぶしながらあげる
→焼くと固くなるからか、刻むと粒がデカくてオエッとえづいていました。
対策…冷凍したものに水か粉ミルクをかけてレンチンしてふやかしたあと、スプーンの背で細かく刻みその都度お粥に混ぜながら与えました。写真だと見づらいですが、これくらい細かくすればなんとかうちの子はもぐもぐ食べれていました。
子どもの反応
味自体は好きでも、粒がダメそうでした。細かくすれば食べますが、細かくする作業が大変です。
最初はカツオのツナ缶にすればよかったかな……と後悔しました。
マグロ(水煮のツナ缶)
初めて食べた時期:9週目(61日目) ※中期になってしまいました
調理法
※オイル缶でなく水煮を選びます。
塩分使用のものの場合は、塩抜きのためお湯にくぐらせた後、すりつぶしてお粥に混ぜながらあげました。あげたのは中期になってしまいましたが、食形態はカレイと似た感じになったので初期でもこの方法で大丈夫だと思いました。

パサつくのでとろみをつけるかお粥に混ぜるのがおすすめです。
子どもの反応
ツナ、すごく好きそうでした。飲み込みも問題なし(7か月だったので……)
作るのも冷凍するのも簡単でしたし、もっと早く試していればよかったです。
鶏ササミ
良質なタンパク源かつ低脂質で消化しやすいので、初めての肉類におすすめです。
調理法
白い筋を取り除き弱火でゆっくり・中にしっかり火が通るように茹でます。熱いうちにブレンダーがあれば撹拌して、うらごしすると食べやすいです。なければすり鉢で擦って滑らかにすると良いそうです。
失敗例
×ブレンダーを持っていないので、茹でたものを包丁で細かく刻んでお粥に混ぜた
上の写真ではお粥に混ぜていますが、刻みだと塊が大きいです。お粥に混ぜてもむせて食べにくそうでした。塊を水分でふやかして根気よくスプーンの裏で崩してお粥に混ぜてあげたらなんとか食べれていましたが、カツオの時よりもさらに大変でした。ブレンダーがないのならば無理に初期のころから試さなくても良いかな……と個人的には思います。(疲れました)
調理失敗例から学んだこと
・肉魚類を離乳食初期にあげたいのなら、ブレンダーがあると一番楽だろうなと思いました。
・ただ、ブレンダーがなくても漉し器があれば乗り切れます。
すり鉢があるとよいですが、なくても裏ごし器で代用してなんとか乗り切れます。
・離乳食初期に加熱で固くなった肉魚を包丁で刻むのはNG、むしろむせます。お湯でのばしたり追加で擦るなどして配慮すれば食べれなくもなかったですが、結局手間ヒマがかかってしまいました。

裏ごし作業やすり鉢でする作業はめっちゃ疲れるので、夫にしてもらうとよいです!笑
ちなみにブレンダーなしで離乳食初期を乗り切った私の相棒的存在の裏ごし器はこちらです。

まとめ
5-6ヶ月の頃の補完食(離乳食初期のころ)のタンパク質源について、実際に取り組んだ調理方法と失敗例をまとめてみました。
離乳食だとタンパク質を本格的に与えるのは7,8ヶ月頃からですが、補完食の考え方だと初期から推奨されているため何をどうあげればいいか迷うと思います。
わたしの失敗例を含め、この実践例がどなたかの参考になれば幸いです。
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