【看護師】育休復帰面談の準備方法を完全解説!ムリな要求の対処法、給料・有休の疑問解消法も紹介

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つぼみの花

病院務めの育休中の看護師が職場に復帰する前は、必ず上司との面談があります。

  • もっと育休していたい、仕事に復帰したくない
  • 看護部長との面談が憂鬱だ
  • 何を聞かれるのか不安、緊張する
  • 自分の要望をうまく伝えられるか心配

そう感じる人も少なくないはずです。
私も育休復帰からの病棟への復帰を2度経験しましたが、看護師の仕事は好きでも仕事に戻るのが嫌でした。
面談でも復帰条件が通るか不安でしたし、終わった後に「あの時こういえばよかった」と後悔した経験もあります。

しかし看護部長との面談は、復帰前に感じる不安を解消し、雇用条件を改めて確認出来る大切な機会です。

本記事では私の2度の育休復帰面談の経験をもとに、復帰面談の流れ・準備すべきこと・交渉方法を実例をふまえてまとめました。

この記事からわかること
  • 復職前の面談の流れや内容
  • ムリな条件を提示されたときの対処法
  • 給料や有休などの聞きにくいことはどう確認すべきか

しっかりと面談の準備をすることで

「面談をスムーズに終えれた」
「復帰後の雇用条件も希望通りのものになりそう」

といった前向きな満足感得られるはずです。

目次

育休復帰のための面談はいつ?連絡先は?

電話を待っている人

面談時期

病院にもよりますが、面談は復帰希望日の大体1〜2ヶ月前に看護部長と行われるところが多いです。

産休に入る前に大体の復帰予定日を上司から確認されますが、保育園の入園の可否によって予定がずれることもあります。保育園の入園が決定した時点で病院に連絡をいれると、その際に面談について相談できるのでスムーズです。

面談の時期が特に決まっていない場合、復帰予定日の2ヶ月前を目安に看護部長宛に連絡を入れると良いです。

連絡先が分からない場合

代表番号に電話し「育休復帰のための面談についてどこに連絡すればいいか」と聞きましょう。
ポイントは育休復帰のための面談というワードをしっかり伝えることです。
看護部の内線番号がわかればそこに直接かけても良いです。

ここで重要なのが、復帰面談の日程を決める際に、事務担当者に給料面や有休について質問したい旨を伝えることです。皆が知りたい給料・有休に関する話は面談内容の趣旨から若干外れるため、部長面談で聞きづらいと感じる人もいます。聞いても専門外で分からないと返されることもあります。

面談の日を決める際には給料や有休についての規定が知りたいので、事務担当者とも話したい」とぜひ伝えてみましょう。(詳細は後述)

面談前に知っておくべきこと
  • 面談時期:大体復帰日の1〜2ヶ月前(病院にもよる)
  • 看護部長と行われることが多い
  • 連絡先が分からない場合:とりあえず代表番号にかけて「育休復帰のための面談」と伝える
  • 「給料や有給の規定が知りたいので事務担当者とも話がしたい」と伝える

実例1:面談の相談から決定まで

私は産休に入る際に「復帰2ヶ月前に病院の人事担当事務員宛に電話連絡を」と言われていたので、人事担当の内線番号宛に電話をしました。人事担当が看護部長と私の予定を調整し、日にちを決定して後日電話で知らせてくれました。幸い、看護部長との話の後に人事担当と話す場があると言われたので、給料や有休についてはそこで確認できました。

面談で必ず聞かれることは?

面談を始める

面談の前にはあらかじめ確認項目や伝えるべき内容を自分なりにまとめておきましょう。
部長との面談で聞かれるものは主に以下のとおりです。

  • 復帰日
  • 勤務形態(フルタイム、時短勤務など)
  • 勤務開始・終了時間
  • 土日祝勤務の可否
  • 遅出や夜勤など、日勤以外の勤務の可否

看護部長との面談は看護師として復帰可能かどうか、勤務条件の確認、本人の不安や希望のヒアリングを主な目的として行われます。

復帰日:交渉する場合、不安・家庭の事情・現場への配慮を誠実に伝える

病院側に復帰予定日伝え、確定させます。
仕事復帰日は法律上、原則子供の1歳の誕生日です(※1)。
育休延長中であれば、慣らし保育の期間との兼ね合いも見ながら設定します。

面談日が決まった時点で、おおよその復帰時期は病院側も把握しています。「土日祝と重なる」「保育園の慣らし保育の予定」など個人の事情があるので、そこは病院側との相談・交渉になります。

復帰日交渉のポイント

家の事情や不安感、職場への配慮(急な休みで迷惑をかけたくない等)を誠実に伝える

実例2:育休延長中で、なるべく復帰を遅らせたい場合

第一子は11月生まれで途中入園が出来ず、半年の育休延長を申請し、4月に入園しました。自治体的には復帰日は伸ばしてもGW前後まで、とのことでした。自分にとっては初めての子供で慣らし保育に1ヶ月時間をかけたかったので5月復帰を希望したところ……。

復帰面談の際に伝えると「4月入園の場合はみんな4月中旬に復帰している。前例がない」と言われました。

そこで「初めての保育園で大人も子どもも戸惑っており、ゆっくり慣れさせたい」「周りの友達の話を聞いても、4月はほとんど病気にかかって休んでばかりで全然仕事に行けなかったと聞いたので、職場に迷惑をかけたくない」と、自身の不安や現場に対する申し訳ない気持ちを正直に伝えました。
幸いにも私はその場で了承をいただけたので、無事5月1日に復帰が決まりました。

ちなみに保育園入園日と復帰希望日が1ヶ月以上空く場合は、自治体の規定を市役所に問い合わせしておくことをお勧めします。(自治体によっては入園日と復帰日が離れ過ぎていると入園取り消しや退園のペナルティが課せられる場合もあるため)

実例3:1歳の誕生日が土曜日の場合

第2子は復帰予定日が土曜だったので、面談では「土日祝勤務は慣れるまで免除してほしい」と伝え、翌週月曜日が復帰日になりました。
ただ誕生日の前月入園のため入園日と復帰予定日が1ヶ月半近く開きました。市役所に確認すると「当市では入園日が復帰日(1歳の誕生日)の3週間前が属する月であればセーフ、それより前の月だとアウト」とのことで、問題ありませんでした。

※1:育児休業期間は「子が1歳の誕生日を迎える前日まで」。保育園に入れないなど事情がある場合は最長2年までは延長が可能ですが、法律とは別に病院の規則が設定されているので確認が必要です。

勤務形態:フルタイム・時短・パートの違いを把握しておく

働く母ナース

一般的にはフルタイムで働き続けるか、短時間勤務(1日6時間など)かを決めます。

場合によってはパート(非常勤)へ働き方を変える方もいるかもしれません。フルタイム・短時間勤務・パートのそれぞれの違いについて把握し、面談までに考えておいて伝えましょう。

なお、短時間勤務を申し出ても職場の都合で拒否されるケースも残念ながらあるようです。しかし育児・介護休業法では、3歳未満のこどもを養育する労働者から短時間勤務(1日の労働時間を6時間に短縮)の要望があれば、原則としてそれを拒否できません

時短希望の拒絶は法的にも管理職として不当です。この場合、公的機関への相談を検討するのも一つの手です。

勤務開始・終了時間:開始時間は逆算!退勤時間は現場から抜けやすい時間がおすすめ

育児短時間勤務制度では、原則1日6時間勤務です。
勤務開始時間と終了時間は、病院との話し合いという形で決めていきます。

例:8時半から15時、9時から15時45分など。

ちなみに6時間の中に休憩時間は含まれません職場の休憩時間が45分という規定であれば、勤務時間6時間+休憩45分です。

(労働基準法では、労働時間が6時間を超える場合には最低45分、8時間を超える場合は最低1時間の休憩時間を与えなければいけないことになっています)

  • 子供や自分の朝の身支度にかかる時間
  • 保育園への送迎時間
  • 通勤時間

これらを逆算して設定します。面談前に、一度このスケジュールで無理がないか1日だけ試してみるのも良いでしょう。

また、病棟での時短勤務の経験上、自分の復帰後配属先の1日の流れがわかっている場合は「何時頃ならスムーズに退勤できそうか?」を考えて退勤時間を決めるのも有効です。なぜなら私自身、仕事復帰後に「退勤しやすい時間に定時を設定することの大切さ」が身に沁みたからです。

実例4:終了時間に終われず毎日小さなストレスが……。

第一子の育休復帰後、15時45分終業の契約で病棟の時短勤務をしていました。しかし部屋もち(入院患者の受け持ち)の日だと15時45分は午後の検温周りの真っ最中です。早めに回ろうとしても、職場のルール上15時以前に午後の記録は入れられません。結局ナースステーションに戻れるのが16時を過ぎる場合が多く、毎日終業が10分〜30分ほど遅れており地味にストレスでした。

もちろん、一緒に仕事をするスタッフによっては「定時は何時?」と聞いてくれたり、「定時になったら帰ってね」と声掛けをしてくれます。しかし例え相手が自分の定時を把握してもその通りに業務が終わることは少ないですし、引き継ぎをするにしても毎日業務を中途半端にして自分だけ定時で帰るのは心苦しいものです。

始業時間を遅らせるのは現場的に難しく、結局勤務時間は9時〜15時45分のまま変更はしませんでした。可能であったならば9時30分開始、16時15分終了に変えていたと思います。

土日祝日勤務や遅出・夜勤勤務の可否

どの職場も人手不足なので、土日祝勤務の可否について聞かれることが多いです。自分なりの結論を出しておき、面談の場でしっかり伝える必要があります。

短時間勤務制度(時短勤務)では、労働時間の短縮は認めても土日祝勤務を免除する法的な力はありません。そのため、職場との相談になります。「子どもが小さいうちは、家族との時間を大事にしたいため土日祝は勤務できない、したくない」と考える人も少なくありません。しかし「仕事復帰して慣れてきたら夜勤をしてほしい」など、自分がのめない・のみたくない働き方を上司から求められる可能性もあります。

面談で聞かれる内容は大体決まっているので、あらかじめ考えておく

のめない要求をされた場合、うまく交渉する3つのポイント

握手しているふたり

「土日祝も働いてほしい」「遅出や夜勤も入って」など、上司からのめない要求をされた場合のうまく交渉するポイントは次の3つです。

  • 自分の中でゆずれるラインを考えておく
  • 職場の事情に理解を示す言葉を伝える
  • 別の方法で貢献したい意欲を示す

相手と自分の要望がマッチしない場合、「自分のなかでゆずれるラインを考えておく」というのは復帰の面談に限らず有効な手です。勤務形態や勤務時間に関して言えば、「できること」「自分が我慢や努力をすればできること=ゆずれるライン」「できない・したくないこと」の3つに分けて考えておくと、自分の考えがまとまります。

相手へ要望を伝える前に大事なことが、相手(現場)への理解を示すことです。看護現場の現状の理解を示す一言があるかないかで看護部長の貴方に対する印象が変わる、といっても過言ではありません。「スタッフも子育て中の人が増えてきているので、土日祝に勤務できる人がほしいですよね」などといった言葉を自分の要望の前に入れることで、相手側も聞く耳を持ちやすくなります。

そして自分の要望を伝えた後に、別の方法で貢献したいという意欲を示すことが重要です。どうしても自分が受け入れられない条件だとしても、相手(病院側)の要望や都合に理解を示し、少しでも検討したり受け入れようとすることで、自分の要望も考慮してもらいやすくなります。ポーズを見せるだけでなく、実際本当になんとかならないか?と一度考えてみましょう。もちろん無理な条件を受け入れる必要はありません。

面談ではお互いの立場に配慮しつつWIN~WINな条件に持っていくことが大切です。気持ちよく復帰日を迎えられるよう、話術や態度も意識してみましょう。

「ゆずれるライン」を考えておき、現場に対する理解と自分なりに貢献したい意欲をみせる

実例5:土日祝完全休みを伝えたが、「土日祝出勤は必須。夜勤もいずれして」言われた場合

第二子の育休復帰の面談時、実際に言われた言葉です。夫が多忙なのと、子供との時間を十分に取りたいという理由から土日祝完全休み希望でした。自分なりに考えてあったゆずれるラインは「土日祝勤務は復帰後3ヶ月以降なら月1、2回まで」「夜間夫と子供を残して仕事したくないので夜勤は無理、遅出なら月1回なら」でした。
私が実際に伝えた内容はこちらです。

現場も時短者が増えているので、なかなか土日祝も回らないですよね。第一子の育休復帰時は、現場も忙しいと思い月2回までなら土曜出勤できると師長に伝えていました。しかし今年4月から夫が多忙な部署に配属され、土日も家でずっと仕事をしています。休日も子ども2人を夫1人では見れないので、しばらくは土日祝にしていただきたいです。夜勤も同様の理由で難しいです。代替案として、夫の仕事が落ち着く頃から土日祝の出勤を月1、2回程度に増やす方向で貢献したいのですがどうでしょうか」

面談の前に揉めそうだと思うことここだけは自分の意思を尊重してほしいということがあればこういった対応を考えておくと安心です。

面談で揉めた場合は信頼できる人や労基に相談、転職も検討

手の上に花

しかし、このように誠実な姿勢を見せても、現場の現状の厳しさや看護部長の方針から希望する条件が通らない場合もあります。実際に私の友人も、「他の人もガマンして土日働いているのだから、あなただけ土日祝完全休みなどと特別扱いするわけにはいかない」と、面談で家庭事情や自分の思いを汲んでもらえなかったと話していました。

不当な扱いや言動を受けた、と感じた場合は、まずは信頼できる身の回りの人に相談してみて下さい。家族でも職場でも構いません。自分の状況に寄り添って話を聞いてもらえる人に話しをしてみましょう。人に話すことで、自分の中の価値観や考えが整理され、精神的にも落ち着いて次の行動をとる準備ができます。

次なる行動として労働相談窓口への相談も良いですが、職場への強制力が強くなかなか一歩踏み出しにくい人もいるでしょう。その点転職の検討なら働きながらもこっそりと並行して行えるので、まずは情報収集をするだけでも一歩踏み出してみることをおすすめします。

面談で聞かれなくても確認すること、伝えておくこと

子供と歩いて帰路につく

面談でこちらから確認しておくこと・伝えておくといいことは以下の通りです。

  • 土日祝勤務、遅出や夜勤の可否(聞かれなくても伝える)
  • 復帰月の休み希望
  • 面談後の流れ
  • 復帰日の流れ
  • その他要望や配慮して欲しいこと

土日祝勤務、日勤以外の時間帯の勤務の可否については聞かれなくても自分から伝えましょう。できれば詳細に、「土曜出勤は午前中だけなら月1回は可能」「少なくとも復帰から3ヶ月は土日出勤は免除してほしい」などの要望も理由とともに伝えられると、後で困らないはずです。看護の現場はどこも人手不足なので、何も伝えていないと復帰初月から土日祝出勤のシフトを当たり前に出される可能性があるからです。

忘れがちなのが復帰月の休み希望日です。休み希望を伝え忘れると、復帰早々に休みを調整してもらわないといけなくなる可能性があります。

さらに面談後の流れ復帰日の流れも聞いておくと安心です。所属病棟の決定通知はいつ誰から来るのか、出勤日は産休に入る前のように病棟に出勤すれば良いのか、復帰日は一度看護部長室に行く必要があるのかなど、把握しておくと後々迷わなくて済みます。

あとで自分が困らないために、確認事項・伝えるべきことはきちんと把握しておく

そのほか

  • 配属先の希望
  • こどもの体調不良時に家族の誰が対応するか(早退や急な休みの可能性・頻度)
  • 今後どのようにキャリアを積んでいくか(いつからフルタイム復帰する、など)

など、踏み込んだ内容まで面接で聞かれる場合もあります。

給料、有休に関する話は事務担当者と!

お金と休日

看護部長が行う面談の際、給料がどう減るか・有休の残日数やいつ増えるかなどを丁寧に説明してくれるところは少ないです。もちろん、聞いたら教えてくれることではあります。しかし看護部長が全て把握しているわけではないので、事務担当者に都度問い合わせして対応してもらうという形をとる病院が多いです。

しかしこれはメリットです。なぜなら、同職種の上司には聞きにくいことも事務の人には聞きやすいからです。

看護師は特に職業柄、使命感と責任感が重視されているため「表立ってお金の話をするのはナンセンス」という潜在的意識がある人が多いです。また、復帰後に職場に迷惑をかけるのではという罪悪感や肩身の狭さなどからも、なかなかお金・休みの話題を振りにくいという現実があります。

給料や有休に関する質問をあらかじめ考えておき、事務と話をするのがベスト!

事務担当者に聞いておくべきこと

  • フルタイムから時短になる場合、給料がどの項目で下がるのか
  • 残業代の計算方法(何分から発生するか、何分区切りで計算しているのか)
  • 自分の時給
  • ボーナスの計算方法
  • 有休の残日数
  • 現在ある有休のうち何日分がいつ消滅するのか
  • 新しく発生するのはいつか、何日発生するか
  • 子の看護休暇は年間何日取得可能か、その期間は無給扱いか
  • 病院独自の子育て支援制度やサービス、福利厚生はないか

給料や休日の規定は、自分の働き方を決める一つの判断材料にもなるはずです。復帰してしまうと、給料や有休について確認出来る機会や時間はほぼありません。聞きたいことをメモしておいて、少しでも気になることがあれば躊躇わず確認しましょう。
特に夜勤の予定がある人、普段は時短でも日曜などフルタイム者と同じ時間で働く日がある人は、そういった場合の給料の計算方法も把握しておくと良いです。

まとめ 自分の価値観や生活環境を見つめ直して復帰面談に臨もう

ジャンプしている人たち

最後に、育休復帰の面談で大切なことのまとめです。

まとめ
  • 復帰面談の電話の際、事務の担当者と給料や有休について聞く場を設定してもらう
  • 面談で聞かれることの答えを明確に持っておく(復帰日、勤務形態、就業開始終了時間、土日祝勤務や遅出夜勤の可否など)
  • 確認事項や伝えたい事項をまとめておく
  • 希望が通らない場合、のめない要求をされた場合に備えて、自分の中のゆずれないラインを考えておく

復帰面談はゴールではなく新たな生活のスタートです。
仕事と育児の両立をするためにも、面談前に一度ゆっくりと考えてみて下さいね。

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