治験コーディネーター(CRC)への転職はきつい?向いている看護師・向いていない看護師の特徴は?

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虹がかかる

治験コーディネーター(CRC)は、夜勤がなく土日祝日が休みやすい働き方として
看護師から注目されることのある仕事です。

一方で、「きついって本当?」「実際自分に向いているのか分からない」と迷う人も少なくありません。

CRCへの転職は、現場中心の看護から“調整・管理中心”の働き方へと大きく軸が変わる選択です。
だからこそ「自分に合っているのかどうか」が気になるところです。

今回は、元CRCの義妹と現役CRAの弟に取材して
治験コーディネーター(CRC)に向いている看護師・向いていない看護師の特徴を整理しました。

この記事では

  • CRCと看護師の働き方の違い
  • 向いている人/ストレスを感じやすい人の傾向

を具体的に知ることが出来ます。

そして、「なんとなく不安」から、「自分の性格や働き方の好みと照らし合わせて判断できる」状態に近づけるはずです。

簡単なチェックリストも用意しています。
CRCが少しでも気になっている方は、ぜひ最後まで読んでみてください。

目次

治験コーディネーター(CRC)はきつい?看護師が感じやすい3つのギャップ

上司からの「数字」のプレッシャー|組み入れ目標の現実

元CRCの義妹

CRCで一番大変だったことは、「数字」を求められることでした。

CRCには治験ごとの「組み入れ目標」があり、治験参加患者を確保する役割があります。

先生や他院からの紹介というルートもあるので一概には言えませんが、上司から「今月は何人組入れられそうか」と確認されることはよくあります。逆に、例えば5例契約のところを8例組入れられたなど、契約例数を上回ればCRCの評価につながることもあります。

カルテを確認し、適格基準を満たすか判断し、医師へ提案する——この流れを繰り返します。

圧倒的なパソコン作業量|1日の大半はデスクワーク

元CRCの義妹

就活のときに先輩に聞いたのは「デスクワーク7割」
実際そのとおりでした。

電子症例報告書の入力、カルテ確認、スケジュール管理、メール対応など、細かいPC作業が中心です。
看護師と比べると身体的な負担は減りますが、座り仕事が大半になります。

体は楽になったと感じる人もいれば、身体を動かさないことに物足りなさを感じる人もいます。

プロトコル遵守が最優先|患者より手順が優先される場面も

治験ではプロトコルが絶対です。
たとえば「◯日前から△△薬は禁止」とあれば、患者の希望があっても変更はできません。
ルールに沿った対応が最優先になります。
「患者にとっての最善は?」という視点で動く看護師とは前提が大きく異なります。

これらを「きつい」と感じるか「明確な仕組みで動きやすい」と感じるかで、CRCの適性は分かれます。

治験コーディネーター(CRC)に向いている看護師、5つの特徴

面談を始める

スケジュール管理・マルチタスクが得意

CRCはチームで動きますが、日々の業務は基本的に“個人戦”です。
自分が担当する試験の進捗を把握し、書類作成やデータ入力を納期から逆算したうえで自分でスケジュールを組み立てていきます。

看護師も日々多重課題をこなしていますが、CRCの場合はそれを数日〜数週間単位のスパンで管理するという点が大きな違いです。
また、基本的には複数の臨床試験を同時進行で担当します。担当試験の期間も、数カ月で終わるワクチン試験から数年間かかる抗がん剤の試験など、多岐にわたります。

元CRCの義妹

少なくて2〜3件、多いと10件くらい掛け持ちしていました。

看護師としての並行処理が苦にならない人、自分で優先順位をつけてスケジューリング出来る人が向いています。

正確な事務処理・パソコン作業が苦にならない

CRCの業務はデスクワークが中心です。
電子症例報告書への入力では、カルテに基づきバイタルや検査値、投薬情報などを正確に転記します。

元CRCの義妹

電子症例報告書への入力は、医師の記録どおりに入れる必要があります。

解釈を加えるのではなく、“そのまま正確に”入力する力が求められます。
看護記録のように自分で考えて記入するわけではないので、淡々とデータ入力をしていくことが苦でない人に向いています。

医師と円滑に連携できる(立ち回りができる)

治験では、医師がすべての手順や検査内容を細かく把握しているとは限りません。
CRCは、次回検査のオーダーや予約調整、書類のサインなどを医師に依頼しますが、診察の合間などタイミングをみながら声を掛ける必要があります。

元看護師は医師の思考や業務の流れを理解しているため、「医師の動きを読んだ立ち回りをする」という点においては強みになることが多いです。また、専門知識を持って医師と対話できる点も看護師の強みです。

現役CRAの弟

医師と仲良くするのがうまい人は最強。

元CRCの義妹

元看護師さんは、そういう人が多いよね

数字を冷静に受け止められる

ここでいう数字とは、組入れ数=治験に参加する患者のことです。

治験業界は医療と企業活動の両面を併せ持ちます。CRCには「企業の利益に貢献するために、患者の組入数を着実に積み上げる」というビジネス的な視点も求められるため、そういうものとして割り切ってこなす力も求められます。
上司から求められる数字を、業務の一部として捉えられる人は適応しやすい傾向があります。

元CRCの義妹

ちなみにこれはSMO所属CRCの話なので、院内CRCだと数字は言われないはずです。

新しいことを学び続けるのが苦でない

臨床経験のある看護師が有利なことは間違いないですが、それでもわからないことは多々出てきます。
日常的に「わからないことを調べる」姿勢が求められます。

治験ごとに対象疾患や薬剤は異なりますし、
法律、薬理作用、検査手順など、看護師時代には深く触れなかった分野を扱うこともあります。
新規試験の立ち上げ時には説明会や勉強会があり、事前に内容を把握しておく必要があります。

元CRCの義妹

とにかく、ずっと調べています。

治験コーディネーター(CRC)に向いていない看護師、6つの特徴

パソコン作業、デスクワークが苦手

前述のとおり、デスクワークが7割の仕事です。

身体を動かしているほうが充実感を感じる人には、ミスマッチになりやすいです。

現役CRAの弟

デスクワークがどうしても向かないひとには絶対に向かないと思う。

数字プレッシャーが強いストレスになる

営業のノルマのように明確に課されたり他人と比較されるわけではありませんが、治験患者を組み入れる(=参加者を増やす)ことがプレッシャーになる人も一定数います。

組み入れが進まないと試験全体の進捗に影響するため、責任を感じやすいケースもあります。

ルールや手順を厳守してミスなく入力するのが苦手

単に「入力が得意」だけでなく、治験のルール(プロトコル)やGCPに沿った正確さが求められます。
小さな入力ミスを軽視しがちな人は注意が必要です。

目の前の患者第一で動きたい

看護師としてのアイデンティティが強いほど、治験特有のルールに苦痛を感じることがあります。

看護師は通常患者のQOL優先で仕事をします。
しかし治験の目的は薬の有効性・安全性のデータを集めることであり、目の前の治験参加患者にとって、必ずしも本人が希望する最善の選択肢が選べるわけではありません。

例えば、「下痢の症状が出たら必ず整腸剤を処方してもらわなければならない」「治験薬投与前は◯◯(薬剤名)は休薬する必要がある」など、治験薬のプロトコルに従って動くのが最優先になります。もちろん患者の意思で治験はいつでもやめられますが、治験中止にまで踏み切らずともモヤモヤを抱えたままの患者も少なくありません。

「患者のため」と「試験のため」のバランスに葛藤しやすい人は、強いストレスを感じる可能性があります。

新しいことを学び続けるのが苦手

担当する試験の疾患に関する知識はもちろん、体系的な勉強だけでなく実務の中で直面する「わからないこと」を自ら解決する姿勢が不可欠です。忙しいときは、家事や育児の合間をぬって調べ物をする場合もあります。

現役CRAの弟

看護師さんに『治験薬投与しているルートからルート採血していいですか』って聞かれたけど、ルートサイケツがなにか分からなくて調べたよ

また学びとは異なりますが、施設によってカルテの運用やスタッフの動きなどが違うため「その施設のやり方」を都度覚え直す必要があります。

看護師という肩書、看護師らしさにこだわりが強い

施設の医師はもちろん、看護師や検査技師や薬剤師、患者など全方位に気を遣ってやりとりすることになります

我々は普段あまり意識していませんが、日本の医療文化的に「看護師さん」は事務やリハスタッフ、患者さんから一目おいて接してもらっています。これは看護師という国家資格を持ったうえで独占業務、すなわち看護師でしか出来ない業務を行っているからとも言えます。

その「看護師」という箔が消え、周囲は「治験の人」という認識になるため、時には周囲に雑な対応をされることもあります。

現役CRAの弟

これはCRAもCRCもそうなんだけど
先生だけでなく看護師さんにもめちゃくちゃ気を遣うわ。

元CRCの義妹

SMOのCRCは病院スタッフからみて「よその人」、
私達からみて病院スタッフは「お客さん」という感覚は多少あるかも。

特にSMO(治験施設支援機関)から派遣されるCRCは、病院内では「外の人(業者)」という扱いになりやすいです。
病院スタッフに対しても「お客さん」のような距離感で全方位に気を使う場面も多々あります。
※院内CRCは病院内に雇われているスタッフなのでまた違います。

看護師としての立場や慣習を一度忘れて、ビジネスライクな調整役や事務処理に徹することが求められる場合もあります。

あなたはCRCと看護師、どっちが向いてる?チェックリストで確認

kyoton-cat

実際のところ、自分はCRCに向いている?向いていない?
そう気になる人もいると思います。

そこで簡単なチェックリストを作成しました。
当てはまるものがいくつあるか、チェックの数を確認しながら読み進めてみてください。

A:CRC寄り
  • 優先順位や段取りをつけて動くのが苦にならない
  • マルチタスク(並行処理)に慣れている
  • 長時間のパソコン作業が苦にならない
  • ToDoリストが消化され、タスクが完了していく感覚に達成感を感じる
  • ナースコールで仕事が中断されるより、自分のペースで進められる環境のほうが合っている
  • 日々知らない分野を幅広く調べたり学ぶことに抵抗が少なく楽しさも感じられる(知識欲が高め)
  • 患者に「本当はこうしてあげたい」と思っても、試験のルールを優先して判断する場面を受け入れられる
B:看護師寄り
  • デスクワークよりも、患者と直接関わるケア業務に強いやりがいを感じる
  • 細かいスケジュール管理や段取りを組み続ける業務は負担を感じやすい
  • 厳密なルールや手順に沿った記録業務が長時間続くと疲れやすい
  • 自分の仕事が中断されたとしても、目の前の患者対応を優先したい気持ちが強い
  • 必要に応じて学ぶことはできるが、常に新しい分野を調べ続ける働き方はあまり得意ではない
  • 将来の患者への貢献よりも、目の前の患者の反応や回復にやりがいを感じる
  • CRCの仕事内容よりも、働き方や勤務条件のほうに魅力を感じている

AとB、どちらが多かったでしょうか。

正直なところ、きれいに半々になる人も多いと思います。それで大丈夫です。
大事なのは、「自分がどんな働き方にストレスを感じやすいのか」「どんな場面でやりがいを感じるのか」に気づくことです。

CRCと看護師は、求められる力の方向性が大きく異なります。
「どちらが優れているか」ではなく、「どちらが自分の特性に近いか」で考えることが大切です。

もしチェックリストを通して「自分は意外と段取り派かも」「やっぱり患者さんのケアにたずさわる方が好きだな」と感じたなら、それは大きなヒントになります。

転職を急いで決める必要はありません。
まずは、自分の強みや働き方の好みを整理するところから始めてみましょう。

まとめ

薬がこぼれる

治験コーディネーター(CRC)は看護師資格や経験を活かせる仕事のひとつです。
しかし病棟の看護師とは全く異なる仕事になります。

スケジュール管理、書類業務、数字との向き合い、調整役としての立ち回り。
思っている以上に「裏方力」が求められる仕事です。

一方で、

  • 夜勤がない
  • 基本的に土日祝休みで
  • 有休や突発休も取りやすい
  • 医療の発展に関わる実感

といった魅力もあります。

だからこそ、「楽そうだから」ではなく
「自分に合っていそうか」で考えることが大切です。

少しでも気になるなら、仕事内容をさらに具体的に知ってみるのもひとつの方法です▼

CRCの1日の流れや働き方については、こちらにまとめています▼

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