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この記事では卵巣腫瘍(成熟嚢胞性奇形腫)の手術に関するQ&Aを、病棟勤務の看護師目線と実際の体験をふまえた患者目線でまとめました。

今回は②術直後から翌朝まで編です!
・全身麻酔下での腹腔鏡手術を受ける予定の方
私と同じような不安・疑問・心配をお持ちの方もいるかと思います。ぜひ参考にしてみてください。
※医療処置の方法や治療方針についても、主治医の指示や方針、術式、年齢・基礎疾患の有無・病状、病院や病棟のルールなどによっても変わります。また症状の有無や痛みの程度も、当然ですが個人差があります。私と全く同じ経過を辿る方はいないと思いますので、あくまで参考程度にとどめて下さい。
術直後から翌朝までの手術レポートはこちらです。合わせてチェックしてみてくださいね。

Q&A
Q.術後、めっちゃ寒い!なんで!?
A.全身麻酔時には交感神経系が遮断されるため、術後は低体温になります。そのため術後は電気毛布で身体を温める措置が取られています。私の場合、手術終了から4,5時間すれば寒気は落ち着きました。
Q.吐き気が起こるのはなぜ?
主治医に直接聞きました。麻酔の影響、気腹で腸を圧迫する影響、術中の体位(砕石位)にする影響が考えられるそうです。
※気腹…手術時、腹部に二酸化炭素を入れて膨らませることで、手術の操作スペースをつくること
※砕石位…両足を開いて挙上し、腸を頭位に持って行って手術しやすくする体位。
全身麻酔後(手術後)の悪心嘔吐は、最も頻度の高い術後合併症のひとつです。 全身麻酔を受けられる方の約30%でおこります。
引用:日本麻酔科学会HP

手術後は吐き気があるかも、と心の準備をしておきましょう
Q.なぜ肩が痛いの?
A.前項でも書いた体位(砕石位)の影響です。卵巣腫瘍摘出するための腹腔鏡手術中は、大腸などの消化器が邪魔なので頭を下げる体位になります。

術中は柔らかい肩当てが当たっていましたが、それでも肩にかなり圧がかかっていたのか、中々の痛みでした。
Q.喉に管を入れるが、抜いた後はどの程度痛いの?
のど風邪のようなイガイガ感に加え、一部切れたようなピリッとした痛みが走る感じもありました。常に感じるのではなく、絡んだ痰を出すときの咳払いで自覚していました。食事には支障はありませんでした。のどのイガイガ感は2,3日は続きましたが、退院前(術後4日目)にはなくなりむした。
Q.尿管を入れる時の痛みは?入れている間の痛みは?抜く時の痛みは?
手術患者の場合は全身麻酔で意識がなくなったあとに尿管を入れる事がほとんどですので、入れる痛みは感じません。
入れている間は私の場合、寝返りを打ったときに引っ張られる時に違和感が気になった程度でした。ただ患者さんを見ていると、尿の詰まり感がありおしっこしたい感じに襲われるという人もいます。(尿管留置中は膀胱内には尿が溜まらず尿バッグ内に貯まる仕組みになっているのですが、ルートの屈曲や詰まりで時々起こります)
Q.痛み以外で術後つらいのはどんな症状か?
個人的には気腹による腹部膨満感と、肩腰の痛みがとくにしんどかったです。

翌朝動けるようになってからは、少し楽になりました。それまでが踏ん張りどころでした。
Q.枕の許可がないのはなぜ?
A.全身麻酔後は舌根沈下しやすいので、舌根沈下による気道閉塞予防目的に枕無しの場合が多いです。私は術後12時間後の0時頃に看護師さんが枕入れてくれました。

枕が入るだけで肩の痛みがかなり楽になました。
まとめ
卵巣腫瘍摘出術の術直後から翌朝の安静解除まで、私自身が不安・疑問に思ったことを中心にQ&Aでまとめてみました。患者にとって一番負担のある時期なので、すこしでもみなさまの不安・疑問・心配事が解消されて手術に臨む手助けが出来れば嬉しいです!
ここまでお読みいただきありがとうございました。
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